今回は、UpdraftPlusというプラグインを利用したGMOクラウドiclusta+からミックスホストへのワードプレスの引っ越し(サーバー移転)作業の手順について解説します。
GMOクラウドiclusta+からのワードプレス引っ越しは少し面倒だった
ワードプレスの引っ越し作業に必要なデータベースのエクスポートはphpMyAdminを使うことが多いです。
しかし、GMOクラウドiclusta+ではphpMyAdminを使うには自分でインストールしなければいけません(MySQLのバージョンは5.7である必要があります)。
今回引っ越しさせたいサイトはMySQL5.1だったため、移行のためにバージョンを上げたりツールをインストールするのはかなり面倒くさそうだったのでプラグインを利用することにしました。
そこで、有名な引っ越しプラグインであるAll-in-One WP MigrationとDuplicatorを最初に試したのですが、どちらもデータのエクスポートの段階でエラーとなってしまいました(これについては人によってはすんなりと上手くいく可能性はあります)。
今回は原因について詳しく調べるよりも他のプラグインを試したほうが早いと思い、UpdraftPlusというプラグインを使用したら上手く行きました。
作業自体も簡単だったのでもし同じような境遇の人がいたらこの方法を試してみることをおすすめします。
以下では、このUpdraftPlusというプラグインを使用したGMOクラウドiclusta+からミックスホストへのワードプレスの引っ越し作業(サーバー移行)の手順について解説します。
作業の大きな流れ
今回行うGMOクラウドiclusta+からミックスホストへのワードプレスの引っ越し作業の大きな流れは以下の通りです。
作業内容 | 作業場所 |
---|---|
(1)バックアップデータのダウンロード | GMOクラウドiclusta+側 |
(2) hostsファイルの書き換え | 自身のローカルPC環境 |
(3)ワードプレスのインストール | ミックスホスト側 |
(4)バックアップデータのインポート | ミックスホスト側 |
(5)DNSの書き換え | ドメイン管理サービス |
GMOクラウドiclusta+側での作業
まずは、GMOクラウドiclusta+(旧サーバー)側での作業を行います。
事前準備
事前準備として、サーバー移行後不具合が発生しないようにPHPとワードプレスのバージョンを最新にしておきます。
PHPのバージョンを揃える(最新にする)
下記よりGMOのプランマネージャーにログインします。
プランマネージャーログイン画面: https://www.iclusta.com/
該当のドメインに切り替えます。
「ウェブコントロール」をクリック。
「PHP設定」をクリックします。
PHPが最新のバージョンになっていることを確認します(なっていない場合は最新のバージョンに変更)。
ワードプレスのバージョンを揃える(最新にする)
ワードプレスのバージョンが最新でない場合はダッシュボードの概要欄に更新ボタンがあるのでクリックします。
「今すぐ更新」をクリックします。
以下の画面が表示されたら更新完了です。
バックアップデータのダウンロード
次に、GMOクラウドiclusta+(旧サーバー)側で、プラグインのUpdraftPlusを使ってバックアップデータを取得します。
UpdraftPlusをインストール・有効化します。
左側のメニューの「設定」→「UpdraftPlus Backups」をクリックします。
「今すぐバックアップ」をクリックします。
ポップアップが出るので再び「今すぐバックアップ」をクリックします(チェック項目はデフォルトのままで大丈夫です)。
バックアップが終了したら、「データベース」「プラグイン」「テーマ」「アップロード」「その他」の5つをひとつずつクリックし「お使いのコンピュータにダウンロード」をクリックしてデータをローカルのPCに保存します。
以上でデータのバックアップは完了です。また、旧サーバーのGMOクラウドiclusta+側での作業も終了となります。
hostsファイルの書き換え
続いて、hostsファイルの書き換えを行います。
自分のPCのhostsファイルを変更することで、一時的に自分のPCからのみミックスホスト側(新サーバー)のサイトを閲覧・操作できるようになります。
そうすることで自分以外のユーザーはこれまで通りGMO側(旧サーバー)のデータを閲覧できるため、引っ越し作業によってサイトにアクセスできなくなるという問題を回避できます。
hostsファイルを変更せずに、いきなりネームサーバーを変更するというやり方もありますが、hostsファイルの変更を行えば、引っ越し作業がすんなりいかなかった場合でも、時間をかけて何度もやり直すことができるのでこのやり方を推奨します。hostsファイルの書き換え方法も難しくありません。
以下の手順でhostsファイルの書き換えを行います。
サーバーのIPアドレスの確認
まずは移行先であるミックスホストのサーバーのIPアドレスを確認します。
ミックスホストのサーバーのIPアドレスはcPanelの一般情報の「Shared IP Address」になります。
【参考】サーバーのIPアドレスの確認方法: https://help.mixhost.jp/hc/ja/articles/115003735631
hostsファイルの設定
下記ページを参考にhostsファイルの設定を行ってください。
【参考】hostsファイルの設定方法: https://help.mixhost.jp/hc/ja/articles/115003740592
ミックスホスト(新サーバー)側での作業
ここからミックスホスト側での作業に入ります。
PHPのバージョンの確認
まずはPHPのバージョンを確認します。ミックスホスト側のPHPのバージョンは以下のようにして確認できます。
下記より、ミックスホストのマイページにログインします。
ミックスホストマイページログイン画面: https://accounts.mixhost.jp/clientarea.php
以下赤枠のアカウント部分をクリックします。
左側のメニューの「アクション」より「cPanelにログイン」をクリックします。
ソフトウェアのメニューの「Select PHP Version」をクリックします。
ここでPHPのバージョンを確認できます。
GMO側と同じになっているか確認しましょう。
ドメインの設定とワードプレスのインストール
次に該当ドメインの設定とワードプレスのインストールを行います。
下記記事を参考に「ミックスホスト側の設定」の「ドメインの設定」と「ワードプレスのインストール」までを行います。
ミックスホスト(Mixhost)にワードプレスをインストールする手順を画像付きで解説します。 ネームサーバーの …
ワードプレスインストール時の注意点
ワードプレスをインストールする際は以下に注意してください。
ワードプレスのバージョン
ワードプレスをインストールする際のバージョンは、GMOと同じバージョンを選択するようにしましょう。
インストールするディレクトリ
GMOではドメイン直下にワードプレスはインストールすることはできないので「wp」などのディレクトリにインストールしているはです。なので、ミックスホスト側でもそれに合わせて直下にはインストールせずGMO側のインストール先に合わせてディレクトリを指定しするようにしましょう。
プロトコルの選択
プロトコルの選択はネームサーバーの変更をしてからではないと「https」は選べません(選べるけど証明書がない状態)。
今回私が引っ越しさせたサイトは「http」で運用していたものであったので特に問題はありませんでしたが、「https」のサイトの場合は、一時的にサイトにアクセスできなることを覚悟の上でネームサーバーを先に変更してしまうなどの対応が必要になります。ミックスホストではSSL証明書の持ち込みにも対応しているようですが詳細の方はちょっと不明です…。
バックアップファイルのアップロード
GMOクラウドiclusta+(旧サーバー)側からダウンロードしたバックアップデータをミックスホスト側(新サーバー)にアップロードします。
ミックスホストではアップロードファイル上限値がデフォルトで2Mなのでファイルサイズに合わせて事前に変更しておく必要があります。
以下の記事でアップロードファイルサイズの変更方法について解説しています。
今回は、ミックスホスト(Mixhost)でのアップロードファイルサイズ上限値の変更方法について解説します。 問 …
それでは、以下、バックアップファイルのアップロード作業に入っていきます。
新サーバーであるミックスホスト側に新規インストールしたワードプレスにログインします。
プラグインのUpdraft Plusをインストール・有効化します。
左側のメニューの「設定」→「UpdraftPlus Backups」をクリックします。
「今すぐバックアップ」をクリックします。
「ファイルを選択」をクリックし上でバックアップした5つのファイルをアップロードします。
アップロード中に途中で止まってエラーになってしまう場合でも繰り返しやれば上手くいく可能性が高いです。
5つのファイルをアップロードしたら「復元」をクリックします。
「次へ」をクリックします。
次の画面で、「復元」をクリックすると復元が始まり無事に終了すると「Restore successful!」と表示されます。
以上でバックアップデータからの復元作業は終了になります。
データのアップロード後の確認
バックアップデータから復元したサイトが正しく表示されるかどうか確認しましょう。
サイトが正しく表示されない場合は、旧サーバーからダウンロードしたデータが完全ではないという可能性があります。
再度旧サーバー側からデータをダウンロードし直したりFTPソフトでファイルを個別に上げるなどで対応しましょう。
DNSの変更
新サーバーのミックスホスト側でサイトが正しく表示されることを確認したら、最後に、ネームサーバーをGMOからミックスホストのものへと変更します。
再度、以下の記事の「ネームサーバーの設定」を参考にしてネームサーバーの設定を行ってください。
ミックスホスト(Mixhost)にワードプレスをインストールする手順を画像付きで解説します。 ネームサーバーの …
なお、現状のGMOのネームサーバーは以下の通り設定されているはずです。
GMOのネームサーバー
ネームサーバー1 | ns.namedserver.net |
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ネームサーバー2 | ns2.namedserver.net |
これを、以下、ミックスホストのネームサーバーに変更します。
ミックスホストのネームサーバー
ネームサーバー1 | ns1.mixhost.jp |
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ネームサーバー2 | ns2.mixhost.jp |
ネームサーバー3 | ns3.mixhost.jp |
ネームサーバー4 | ns4.mixhost.jp |
ネームサーバー5 | ns5.mixhost.jp |
後は、ネームサーバーの変更が反映されるのを待つだけです。
hostsファイルを元に戻す
引っ越し作業が終了したらhostsファイルを忘れずに元の設定に戻しておきましょう。
おわりに
GMOクラウドiclusta+からのワードプレスの引っ越し作業は他のサーバーに比べると制約がいろいろあるため多少面倒なのは事実だと思います。
もし、自分で作業するのが不安だったり面倒だという人はミックスホストによる移転代行サービスもあるのでそれを利用するというのも手です。
WordPress移転代行サービス: https://mixhost.jp/options/wp-transfer
移行作業に手間取り過ぎて本来やるべき記事を書く時間がなくなるくらいならお金を払ってやってもらったほうがずっと賢いと思います。